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毎週木曜日に新宿三丁目の竹林閣で、塾と展覧会を開催しています。

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プロフィール

彦坂尚嘉

Author:彦坂尚嘉
彦坂尚嘉 美術家。アート・ネットショップ『きたいぶんしギャラリー3000』主催。ヴェニスビエンナーレ、サンパウロビエンナーレ、パリ青年ビエンナーレ出品。クイーンズミュージアム、テイトモダーン出品。芸術分析家、元立教大学大学院比較文明学特任教授。1946年東京生まれ。多摩美術大学油彩科中退。

糸崎公朗 フォトモ・アーティスト。『子供の科学』『デジカメwatch』連載。1965年長野生まれ。東京造形大学デザイン科出身

生須芳英 アーティスト。ノイズ音楽家。1991年生まれ。多摩美術大学夜間部中退。

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メキシコのマヤ文明の衝撃

昨日の芸術分析塾ラカンの授業は、いろいろありましたが、一つ衝撃的であったのは、人類史700万年の芸術鑑賞の授業で取り上げたメキシコ文明でした。

マヤ文明、アステカとありますが、まず、驚くのはマヤ文明でした。

まず、風土としてメキシコに対する何かは、私は感じていたのです。

私はメキシコに行ったことはありません。ただメキシコ料理のレストランには何回かは行っていますし、そして映画の中に出てくるメキシコです。

たとえば『悪の法則』というリドリー・スコット監督の映画では、驚くほどのメキシコ風景の画像が出てきますが、それはどうしようも無くメキシコで、メキシコというものが持つ独特の野蛮さと悲惨さ、苦しさ、暗さが写されていました。

そして『エル・ポト』。1970年のメキシコ映画です。ホドロフスキーの代表作で、神秘主義や無常観が漂うメキシコの文化風土のなにものかを示す傑作です。

美術的にはメキシコの壁画運動のリベラや、シケイロスの絵は、こどもの頃から見ていますが、その美術は、様態が《絶対零度》です。つまり現代に描かれた原始美術であって、芸術的には評価できませんでした。独特に野蛮で原始的な雰囲気を持っている。

後、音楽ですね。メキシコ音楽と、後現代のロス・ロボスなどのバンドで、ロス・ロボスは好きでした。

ロス・ロボスは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とするメキシコ系アメリカ人のバンドです。ロックにメキシコ音楽の要素を取り混ぜたサウンドが特徴で、独特の感覚があります。《想像界》《象徴界》《現実界》《サントーム》《ディープミステリ》はなくて、《ノーネイム》だけの音楽なのです。



このロス・ロボスのやっている音楽はロックンロールです。

ロックンロールもいろいろありますが、世界的に大ヒットした代表的な白人のロックンロールというとビル・ヘリーと彼のコメッツの『ロック・アラウンド・ザ・クロック』です。これを聞き比べて、しかも繰り返し聞き比べてください。

ビル・ヘリーとの音楽には《想像界》しかないのですが、ロス・ロボスの音楽には《ノーネイム》しかない。この差を聞き分けてください。



同じロックンロールでも、リテラシーが《想像界》と《ノーネイム》と違うと、印象がずいぶんと違うのです。

何故に、ロス・ロボスの音楽の話をしたかと言えば、メキシコのマヤ文明は、明らかに変な文明で、《ノーネイム》しかないからです。

普通に文明と言うのは、《象徴界》と《想像界》の2つのリテラシーによって成立しています。普通の文明と言っているのは、ユーラシア大陸のメソポタミア文明、エジプト文明などです。

これとマヤ文明とはずいぶんと違います。これは衝撃的であります。


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