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毎週木曜日に新宿三丁目の竹林閣で、塾と展覧会を開催しています。

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プロフィール

彦坂尚嘉

Author:彦坂尚嘉
彦坂尚嘉 美術家。アート・ネットショップ『きたいぶんしギャラリー3000』主催。ヴェニスビエンナーレ、サンパウロビエンナーレ、パリ青年ビエンナーレ出品。クイーンズミュージアム、テイトモダーン出品。芸術分析家、元立教大学大学院比較文明学特任教授。1946年東京生まれ。多摩美術大学油彩科中退。

糸崎公朗 フォトモ・アーティスト。『子供の科学』『デジカメwatch』連載。1965年長野生まれ。東京造形大学デザイン科出身

生須芳英 アーティスト。ノイズ音楽家。1991年生まれ。多摩美術大学夜間部中退。

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バッロク絵画と音楽

《ルネッサンス音楽です。アドリアン・ヴィラールト》


これはルネッサンス音楽です。アドリアン・ヴィラールトという作曲家で、もちろん《文明》です。
これと、次に挙げる最初のバロック音楽家のモンテヴェルディを聞き比べて欲しいのですが、モンテヴェルディの音楽は《野蛮》です。
《文明》の中から、《野蛮》が出現するというのが、バッロックという時代なのです。
これは現在にもつながります。
《文明》の中に、子供が生まれると、子供は《野蛮》なので、《文明》は《野蛮》に展化するのです。そして《野蛮》の時代になる。《野蛮》が正しいと信じる人々が増大していく。そして崩壊が起きる。





《バロック音楽の最初の作曲家:モンテヴェルディ》



バロック音楽の最初の作曲家:モンテヴェルディです。
これを聞いて、《野蛮》な音楽だと分からないでしょうが、先に上げたルネッサンス音楽と聞き比べて欲しいのですが、これは《野蛮》なのです。


ルネサンス音楽では、不協和音の利用法に制限があったのです。
この不協和音の制限を破ったのがモンテヴェルディでした。


このモンテヴェルディの音楽を、アルトゥージというイタリアのボローニャの音楽家は、烈火のごとくに怒って批判して、論争になっています。


この初期の《文明》と《野蛮》の音楽での闘争は、《野蛮》が勝つのですが、しかしバロック音楽は、最終的にはバッハによって、古典音楽へと回帰するのです。
この古典への回帰の運動が、ヨーロッパ芸術の根底に存在するのです。

日本の明治以降の洋画系の芸術家達の多くは、この構造を認識できませんでした。

パリのポンピドウ美術館で開催された日本現代美術展に対して、フランスの美術評論家は、日本の前衛美術は神風特攻隊で、行ったきり、帰ってこないと批評しました。
この批評の意味も分からないのが、日本の現代美術/現代アートなのです。


まず、そもそも《文明》の中に《野蛮》がいかにして生まれるのか? という認識が欠如しているのです。
そして《野蛮》で良いと思っているのです。


さて、そういう視点で、明日の彦坂ITOSAKI塾では、実はバロックの画家の作品展開そのものが、ヨーロッパ芸術の回帰運動の軌跡であることを示します。取り上げる作家は

レンブラント
ルーベンス
ベラスケス
フェルメール
プッサン
カラヴァッジョ
ラ・トゥール


現在の安倍政権に批判的なのは理解しますが、良くも悪くも、安倍晋三は、日本古典主義への回帰を目指そうとしています。


それに対して批判者達は、神風特攻隊でして、回帰の視点を失っています。


安倍晋三を批判するのは良いですが、私たちは、どこかでルネッサンスに回帰する必要を抱えているのです。

ルネッサンス音楽には、不協和音はありませんでした。不協和音のノイズ音楽は、嫌だ!そういう主張の人々が、《文明》へと回帰しようとする右翼運動を推し進めています。


私は、ノイズ音楽を越えて、切断リズム音楽を勧めようとしていますが、これを嫌がる人々の気持ちは分かるのです。




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