04.12
【生命力0】の音楽家:アート・ガーファンクル 1
アート・ガーファンクル は、1941年生まれ、ニューヨークのクイーンズ区出身のユダヤ人歌手です。
「天使の歌声」と評される美声で知られています。
学歴的にはコロンビア大学で美術史を専攻し学士号を取得しています。
日本でも人気の高い歌手でしたが、【生命力0】の人物なのです。
私の耳で聞くと、彼の音楽には《原-音楽》《音楽》《反-音楽》《非-音楽》《無-音楽》という概念の階梯(はしご)がありません。
つまり私の判断では、良い歌手では無くて、歌としては《生きる屍(しかばね)》です。
しかし多くの人はこのアート・ガーファンクルを高く評価しています。
「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第86位になっています。
こういう実例を幾つも見てきている結果、《芸術》というものには2つあって、1つは《真性の芸術》と言われるものですが、もう一つは【生命力0】の《生きる屍(しかばね)》の表現なのです。
ジャック・ラカンが言う《対象a》(たいしょう・あー)というものなのです。つまりネガティブな、喪失したものに、人間は惹きつけられるのです。そしてそれを《芸術》であると錯誤するのです。いや、これは社会的には錯誤ではなく、実に多くの人が愛する芸術なのです。
アート・ガーファンクルの顔には、邪悪さがあります。歳をとると、それが強くなってきます。それは【生命力0】であるからです。ゾンビなのです。ゾンビは邪悪なのです。